ぼくの腕は肩からしては短い。
だから既製品の長袖シャツなどの袖はいつも折られることになる。
かわいい女の子ならいざ知らず、老齢年金をもらえるようになったぼくが腕の先から袖先をぶらぶらさせるのはちょっと見られない。
だから折るのだけど、折って丸められた部分が鉄人28号の腕の輪っか(そんなものがあったっけ?)みたいで、これはこれでちょっと目を引いてしまう。
とはいえ上衣を注文してつくってもらうほどの器量はぼくにはない。
いわゆる「がま口がそれを許さない」。
腕と同様に脚も尻からしては短い。
だから既製品のジーンズなどの裾は相当に切られることになる。
容易に想像がつくように首も頭からしてみればほとんどないに等しい。
だからぼくの頭は肩に直接のっけられた雪だるまの頭のようだ。
うしろを振り向くのに難儀する。
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ぼくの体にぴったりと合った上衣や下履きはそうそう存在しないが、何かを始めるのにうってつけの日というものは存在する。
例えばそれは6月4日だったりする。
最初そのことに気がついたのは、里中満智子さんの『6月4日月曜日』という作品を読んだからだ。
あるいはたとえばそれは7月4日だったりする。
そのことは、青木淳悟さんの『四十日と四十夜のメルヘン』を読めばたちどころに明らかとなる。
あるいはたとえば…
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もちろん今日11月20日だってそうだ。
なにを始めるにも、今日がうってつけの日であることは明白だ。