これは先日、ぼくが勤めているところにあるデイサービスの一人のお客様にお聞きした話。

広島県の東、一番端っこで岡山県と接してあるのが、ジーンズとバラと鞆の浦で名を知られる福山市。その西隣に尾道市がある。

尾道と言えば、昔から多くの映画の舞台になったところで、そこを利用して「映画の街」というキャッチフレーズでまちおこしが行われてきた。このところそんな動きも一段落した感じがあるけど、引き続いて絵画やテキストなどの文化的活動の担い手が集まる街としてのイメージが少しずつ広がっているように思う。

こちらは行政というより民間からじわじわと草の根的に広がっているようで、誰か主導されている方がおられるのかもしれないけど、ぼくにはわからない。ぼくの数少ない同士であるじゅん朝さんも定期的に、古本屋めぐりを中心に訪れている。

ぼく個人的には、このブログでもよく《参考from》させていただいている古谷利裕さんの絵の個展が、尾道のあるカフェの一角で開かれたことがあって、そこを訪れさせていただいたことをよく覚えている。その場所で定期的に絵画の教室が開かれていることとかあれやこれや、店主さんが気軽にお話してくださった。

広島市の住民からすると、尾道は「しまなみ海道」の起点として四国へ車で渡るためのハブ的な要素でも知られているんじゃないかな。

地図を見ると、尾道市は西は三原市、北は府中市と世羅町、南は島ながら愛媛県今治市と接している。

そして福山市に食い込む飛び地として「浦崎町」という町がある。

今回のお話(デイサービスのお客様から聞いた話)はこの浦崎というところでのことなんだけど、ここって福山市の中に飛び地としてある。なんで?と思って調べてみた。

要するに、尾道市街と福山市街とは「沼隈(ぬまくま)半島」という山がちな半島でもって分断されており、この沼隈半島の西に小さな平野部「浦崎」があって、そのすぐ先の島「海老島」と「戸崎島」とが昔つながり、それが沼隈半島の平野部「浦崎」とつながって、今の浦崎町になった。

ではあるが、沼隈半島の山を越えての福山市との関係よりも、島伝えであっても、目の前の尾道との関係の方が取りやすくて、ここだけが尾道に編入された、ということのように推測する。

ちなみにこの沼隈半島の一番南に先の「鞆の浦」がある。ここはアニメ『崖の上のポニョ』(ぼくは見たことがない)の舞台にもなったところらしい。「日本で一番癒やさされる港町」というキャッチフレーズがあるなあ。

で、お話。

この浦崎には、海沿いにナスの畑があって、夜と言わず昼と言わず、このナスを食べにタコが上陸してくるのだそうだ。そしてそのナスを食べているタコを浦崎の人が捕まえて食べるのだそうだ。

そりゃまあ、お隣の三原市や尾道も、タコ料理で有名ではあるが。
そういうこと?