例えば手頃な板を少し傾けて、その一番高い位置にピンポン玉のような球を置いてみよう。そのときの置きようによっては、球は板の上から下へ転がり落ちるはずだ(置きようが悪いと板からこぼれ落ちてしまう)。
ここで問題が起こる。
球は「なぜ」板を転がり落ちるのだ?
その「なぜ」を脇においておくなら、転がる速さや下への到達時間、そこからどのくらい地面を転がるか、などなどを「計算」で予測することができる。
逆にその「予測」と実際の「計測事実」とを比べることで、板の表面のささくれ具合や地面の抵抗などを算出することもできるだろう。
残るのは「なぜ」転がり落ちるのだろう?という疑問だ。
もちろん重力が働いているからとか説明らしきことは言えるけど、その重力が働いていることを球はどうやって知るのか?そしてその重力の顔を立てるなら、こっち方面に少しずつ転がればいい、などということをどうやって決めているのだ?
この「なぜ」はいつもぼくを魅きつける。