今、YMOの『BALLET』を聞いている。
セリフは何を言っているのかわからない。
この曲がなんで「バレエ」というタイトルなのかもわからない。
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勤め先からの帰り道、自転車で細い歩道を走っている。
その歩道のある道路から、その道路のすぐ脇に、そこから数メートル下の位置で広がる敷地があって、そこに建物が立っていて、その建物の角のところにバレエ教室があった。
もう10年以上はここを自転車で走っているはずなのに、昨日の夕方、その教室がそこにあることに初めて気がついた。
ぼくとしたことが。
あたりは夕闇せまるなか、その教室だけはガラスの壁一面がぼうっと明るく見えた。見てください、気がついてください、と言っているかのようだった。
ぼくの視点はかなり上からになるので、ガラス窓を通して、華奢(だろう)脚の動きの気配だけが視界をよぎっていった。
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そう言えば何年か前、ぼくの勤め先にバレエ教室の先生と生徒さんたちがやってきて、大勢のみなさんの前でその技を披露してくれたことがあった。
小さな子やちょっと大きな子やもう立派な娘さんたちが、次々に、笑顔でくるくるくるくる舞い踊ってくれた。
さっきの教室はそのとき来てくれたバレエの人たちのものだったのかも?
知ってるものと知ったものをすぐに結びつける。
ぼくの悪い癖。
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そう言えば高校生のときからの友人のお父さん、若い時にバレエをされていたのだった。想像できるようなできないような。
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曲は『Happy End』に変わっている。