「色彩の魔術師」と謳われている画家のアンリ・マティスは、特に緑色が好きで、だから家の中を植物の緑でいっぱいにして、そんな森のような室内に300羽を越える鳥を飼っていたそうです。
マティスは若い頃、同じ画家仲間のカミーユ・ピサロのすすめに従い、ロンドンに移って、画家ウィリアム・ターナーのことをいろいろと研究しました。1900年ぐらいのことです。その後マティスは『緑のすじのあるマティス夫人の肖像』などの作品を生み出し、フォービスムの旗手として活躍を始めます。
ターナーは不思議な絵をたくさん描いています。夏目漱石も『坊っちゃん』の中にターナーを出演させています。漱石はその作品の根源に絵画があるような論評もあります。
朝やけの放射光のように、ターナーはいろいろな影響をいろいろな人に与えたように思います。