ぼくらは見えないものに囲まれている。

例えば、重力とか磁力とかの力は目に見えない。
例えば、目の前の人が喜んでいるのか悲しんでいるのか、その人の感情は目に見えない。
例えば、パチンコ台を前にして大当たり寸前のリーチを目の当たりにしている人の脳内状態は目に見えない。

目には見えないだけで、りんごが樹から落ちるのを見て、そこに重力があることを見て取ることのできる人もいる。
諸星大二郎さんがマンガでやったように、頭の少し上あたりにその人の「感情」が表れる人たちの物語を作る人もいる。
一度でもパチンコに足を踏み入れたことのある人なら、大当たりのときの感覚をまざまざと自分ごととして再現できるかもしれない。

だから「目に見えること」が大事なのじゃない。
そこに「ある」ことが大事なのでもない。

それがそこにあると「想像できる」ことが大事なのじゃないかな。

人の脳に、ありありとそこにあるよね、と思わせること。

じゃあ、どうやればそれができるんだろう?