昨日は水曜日で、勤め場所にいつもの学生さんたちがやってきて、近所の方たちとの交流会をやってくださる曜日。
学生さんたちは、近くの介護医療福祉の専門学校の生徒さん十数名と、これもまた近くの高校の生徒さん三名のみなさん。
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彼ら彼女らはいつも、新鮮で生硬でだからリアルな「生きてる」をぼくに教えてくれる(ような気がする)。
羽ばたきたいけど羽ばたくことに躊躇しているみずみずしい水鳥たちのようだ。
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そのうちの高校生の女の子がぼくに近づいて「これ見てくださいよ」と言って見せてくれたのが、ごぼうとか人参とかが宇宙人になったような姿をしている長細くて小さなぬいぐるみようなもので、彼女たちはそれを背中のリュックに結びつけて持ち歩いているようだ。
そのぬいぐるみのお腹には「てっさん」と平仮名で糸の縫込みが刺繍してある。
結構かわいい。
かわいいというか、「きもかわいい」というか。
「うふっ」なんて感じるような。
一緒にやってくるもうひとりの女子高生から誕生日プレゼントにもらったのだという。そのもうひとりの彼女はその手のぬいぐるみの収集家のようで、彼女のリュックには十近くのほぼ同型のぬいぐるみがぶら下がっている。
聞いてみるとそのぬいぐるみたちには「モケケ」というちゃんとした名前があるという。よくみると見せてくれた「てっさん」の脇腹に「モケケ」と記した小さなタグが縫い付けてある。
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そうかあ。こういうのが女子高生の間で流行ってるのね、と。
そこで大概ピンとくるのがぼくの悪い癖。
だったら「ムケケ」というつけ物を作って売り出せばどうだろう?
「それ何なんですか?」
「何かが剥けかけてるぬいぐるみだよ」
「あ、みかんとか?」
「みかんもいいね。バナナとかソーセージとか」
「ソーセージ?あれ剥けてます?」
「魚肉ソーセージだよ」
「なるほど」
「それつけてると『あの人、一皮むけましたね』なんて言われるようなやつ」
「きもち悪うう」